統合失調症

どのような人が発症するの?

統合失調症の原因は明らかになっていませんが、遺伝によるものと環境によるものが合わさって発症するという説と脳内の神経伝達物質によるものだという説があります。

脳内の神経伝達物質が原因だという説

ドーバミンという脳内の神経伝達物質が過剰になったり、極端に少なくなったりすることが原因とされています。

このドーバミンという神経伝達物質は気持ちをコントロールする働きがありますので、極端にドーバミンが増加して陽性症状が出ているときには興奮状態となり、極端にドーバミンが減少して陰性症状が出ているときには気分が沈んでいる常態になるとされています。

環境による要因とは?

統合失調症を発症する原因として、脳内の神経伝達物質が原因であるという説を説明しましたが、このほかに環境による要因も合わさって発症するとされています。

発症した人の親は、自分の育て方や家庭に原因があると感じてしまう人もいるようですが、必ずしも育て方や家庭に問題があるわけではありません。

現代はストレスの多い社会です。
社会に出てから、または自我が芽生えてからの環境で、ストレスがかかって発症する場合もあるのです。

遺伝による要因とは?

遺伝的なリスクは高いとされています。
統合失調症の一般的な発症率は1%ですが、近親者で統合失調症の発症がある場合の発症率は約10%にもなります。

一卵性双生児の場合は、一人に統合失調症が発症した場合にもう一人に発症する確率は約50%です。

統合失調症が発症すると…

統合失調症の症状は2つに分類され、陽性反応と陰性反応があります。

症状は人によって異なり、複数の症状が現れる場合もありますが、全ての症状が出るわけではありません。

統合失調症の発症は、男性が15〜24歳、女性が25〜33歳に多くみられます。

陽性症状とは

陽性症状には妄想や幻覚、思考に障害が出るなどの症状があります。

妄想の症状はさまざまですが、自分がいじめられている・追われている・盗聴されているなどと思い込んでしまう被害妄想があります。

また、外で起こっていることを自分と関係を持たせて思い込んでしまう関係妄想もあり、笑っている人を見て自分のことを笑っているように感じたり、本や雑誌に書いてあることが自分に向けて書かれているように感じてしまいます。

幻覚の症状には、全くないものを見たり聞いたりしていると思い込んでしまいます。
体感幻覚では、臭い・温度・痛みなどの体で感じる全ての感覚を、実際には感じていなくても感じているように思い込んでしまいます。

「肺に穴が開いて腸が流れ込んでいる」などという正常ではない感覚がある場合もあります。

思考の傷害では、何を言っているのかわからないような、まとまりのないことを言うようになったりします。

陰性症状

陰性症状は、陽性症状とは違って自分の世界に入ってしまい他人と関われなくなってしまったり(自閉やひきこもり等)、他人に何かをさせられてしまう・自分の考えていることが全て相手に伝わってしまう・自分の考えていることが外から聞こえてくる(幻聴)などと思い込んでしまいます。

統合失調症は完治できる?

統合失調症は症状も、経過もさまざまです。
しかし、早期発見・早期治療が最も完治する可能性が高いようです。

家族が治療させたくても、本人がその気がなくては思うように治療が進まない場合もあります。

以前は完治が困難な病気とされていましたが、医療が進歩して症状が良くなる人が増えました。
完治する人も約25%いるとされています。

これは治療を始めた時期と症状の度合いにもよるので、個人差はかなりあります。

治療方法

統合失調症は脳の神経伝達物質の異常が原因とされ、脳内の症状を良くする薬を服用します。

陽性症状と陰性症状にあわせて、抗精神病薬などが使用されています。
しかし、最近は非定型抗精神病薬が登場し、陽性症状にも陰性症状にも効果があり注目されています。

また、薬の副作用もあるので医師の指示(用量や用法)を守らなくてはなりません。

社会復帰へ向けてのリハビリ

実際に社会で生活するためのトレーニングを行います。
また、その患者さんに適した環境を準備する必要があります。

このリハビリは共同作業所やデイケアなどで行っています。
通うにあたっては、医師との相談が必要です。

完治まではどれくらいかかる?

治療の期間も個人差があり、治療開始時期や症状によって違ってきます。

10年以上の治療となる場合から、数年で快方に向かう場合もあります。
根気よく治療することが必要です。

再発のリスクは?

統合失調症は再発しやすい病気でもあります。
発病してから10年以内は再発率がとても高いです。

再発しても、明らかな症状がないと気付かないで悪化させてしまうことが多いので、本人だけでなく周囲の人が再発していることに早く気付くことが大切です。

再発を繰り返すことは、症状を悪化させてしまうのです。

再発を防ぐために

再発の原因で最も多いのは、症状が良くなったからと言って、勝手に薬の服用をやめてしまうことです。

この場合約8割の人が再発しているということがわかっています。
薬を服用することで再発は抑えられ、薬をしっかり服用している人の再発の確率は2割程度です。

また、そのほかにストレスが原因で再発してしまうことがあります。
疲労やストレスを溜めないように気をつけなくてはなりません。

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